AVR実験室(18)
モデムICなしのAVRマイコンによるTNC実験の続きです。
以前録音しておいたXI-IVの音声データによるデコード実験では、改良を重ねた結果、TNC-22とほぼ同程度のデコードデータを得ることができました。そこで、実際のリアルタイム受信により、性能の検証及び改良を進めることにしました。
XI-IVだけでは受信する機会が少ないため、144.66MHzのAPRSデータにより受信テストしたところ、TNC-22で13パケットのデコードに対して、AVR-TNCでは3パケットの正しいデータ取得ができました。
前回以降の実験結果により改良した部分は、次のとおりです。
1 NJM386アンプの前に、1S1588(スイッチングダイオード)によるリミッターを追加する。
2 上記1のリミッターとNJM386の間に、抵抗とコンデンサ各1つによるローパスフィルタ(510Ωと0.1μFによるカットオフ周波数3120Hz)を追加する。
3 NJM386アンプの増幅率は26dBとする。
SoftOscillo2で録音しておいたXI-IVの音声データを確認したところ、1200Hzと2200Hzの変調波の間に124Hz程度おきに変調波が見えたので、最初は1200Hzと2200Hzの間の音声を制限するBEF(帯域制限フィルター)を入れてみたのですが、かえってデコードが悪化してしまいました。次にカットオフ周波数1000Hz程度のHPF(高域通過フィルター)を入れてもだめでした。最後にカットオフ周波数3000Hz程度のLPF(低域通過フィルター)に変えたところ、デコード率が著しく向上しました。LPFをいくつか試してみて、コンデンサ及び抵抗値が手持ちにある中で、上記2の結果となりました。
上記3の増幅率はSoftOscillo2で増幅後の波形を確認したところ、追加コンデンサによる46dBではレベルオーバーであったため、追加コンデンサなしとしています。
リアルタイム受信では、まだまだですが、とりあえず次の一歩に進めそうです。
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