AVR実験室(33)
6 音声信号の増幅
受信機(トランシーバ)のデータ端子出力は、100~300mV程度となっています。これに対して、AVRマイコンの説明書の電気特性の記載内容によると、アナログコンパレータが基準電圧と差が生じたことを認識するのは、40mV(最大値)以上の差があった場合となっています。このことから、受信機の出力そのままをマイコンに入力しても、受信音がかなり大きくないと、基準電圧との差が生じたことを的確に検出できません。受信機ではなく、一旦パソコンの音声ファイルとしたもので試してみましたが、音声出力が小さい(とはいっても、スピーカ出力される音はかなり大きくなりますが)時には、周波数検出がうまくできませんでした。
そこで、アナログコンパレータの入力前に、オペアンプによる増幅器で音声信号を増幅することにしました。最初トランジスタ1石のアンプで試してみたのですが、思ったような特性が得られず、いろいろ調べたところ、オペアンプを使用すると、特性のよいアンプが簡単にできることがわかり、これを使用することにしました。
使用するオペアンプですが、最初はLM358という汎用のものを使用していたところ、デコードはするのですが、誤りが多い状況でした。たまたまCQ出版社のトランジスタ技術2012年1月号の特集の中で、LM358というオペアンプはC級増幅動作のため、電流が流れないポイントでのノイズが多いと記載されていたことから、手元にあった別のオペアンプNJM3414に交換したところ、デコード率が改善されました。
その後に電源を単三電池2本の3Vとすることにしたので、NJM3414は3Vから動作することから、最良の選択となりました。
オペアンプの増幅回路は、CQ出版社の「OPアンプ活用 成功のかぎ」55ページ記載の単電源非反転アンプに64ページのバイアス部を組み合わせた回路です。
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