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2022年10月18日 (火)

5GHzトランスバータ25年越しの完成へ(6)

6.送受信切り替え同軸リレーのコントロール回路の設計方法

「2.送受信切り替え同軸リレーのコントロール回路」に記載した同軸リレーのコントロール回路は、次の回路図のとおりです。

 

20221017trv_relaycontroller

この回路は、次のように検討して、トランジスタの選定や各抵抗の値を決めました。

1 手持ちのトランジスタは、2SC1815Y2SC3266GRである。

2 トランジスタ1つだと、ベースがオン(+)でコレクタ(リレー)がオンとなる回路となってしまう。送信時に入力がGNDとなった時に、コレクタがオンとなるためには、リレー制御のトランジスタの前に反転回路を追加する必要がある。

3 前段のトランジスタのベースがオンの時にコレクタがGNDになるようにすると、その時に後段のトランジスタがオフになる。前段のトランジスタのベースがGNDとなるとコレクタがオフになるので、その時に後段のトランジスタに+12Vが加わればよいと考え、上記の回路とした。

4 同軸リレー(ヒロセHCS2-110-F)のオン電流は120mA11~14V動作)であり、Tr2のコレクタ電流は120mA以上必要となるため、2SC1815Ic150mAでぎりぎりのため、Ic2Aとれる2SC3266を選択した。

5 2SC3266GRhfeは、カタログでは200~400となっているが、手元の実物をデジタルテスタ―で計測したところ、hfe132であった。

6 Tr2Icにリレーのオン電流である120mAを流すには、Tr2のベース電流IbIc÷hfe=120mA÷132=0.9mAとなる。

7 Vcc+12VTr2のベース電流を0.9mAとするため、R2Vcc÷Ib=12V÷0.9mA=13,333Ω≒12kΩ(標準的なE12系列かつ手持ち)とした。

8 Tr1のコレクタに12kΩが接続されるため、Tr1がオンになった時に流れる電流は、Vcc÷R2=12V÷12kΩ=1mAとなり、2SC1815の定格Ic150mAでまかなえる。

9 Tr1に使用する2SC1815Yhfeは、カタログでは70~140となっていたが、手元の実物をデジタルテスタで計測したところ、hfe145であった。

10 Tr1Ic1mAとするには、Tr1のベース電流IbIc÷hfe=1mA÷145=6.8μAR19V÷6.8μA=1.3MΩと計算される。

11 しかしながら、IbIc1/145でありかなり小さく、ノイズ耐性や安定動作に不安があることから、上記の3倍のIb=6.8μA×3=20μAとすると、9V÷20μA=450kΩとなった。

12 さらに余裕を考慮して330kΩ(標準的なE12系列かつ手持ち)を採用した。この値はhfeをカタログ最低値の70の半分である30程度とした場合のIb=1mA÷30=33μAR1=9V÷33μA=273kΩより大きい値である。

13 R1330kΩとするによりIb=9V÷330kΩ=27μAとなり、トランスバータのコントロール端子の出力電流最大値0.1mA100μA)未満を満たす。

14 上記で計算した抵抗値により、上図の回路を組み上げて動作させたところ、正常にリレーが切り替わることを確認した。

 

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