完成した検波器がどれほど使い物になるのかを、手元に1.5GHzまで使用できる10dBと20dBのMini-Circuitsのアッテネーターがありましたので、これを使って検討してみました。このアッテネーターはBNCコネクタのため、いくつかの変換コネクタを介しての接続となりました。ロスがかなり生ずるとは思いますが、アマチュアの実験と割り切って作業しました。
まず、使用する変換コネクタをすべて接続した状態の測定です。1200MHzトランシーバーは3.756V、5GHzトランスバータは18.9mVとなりました。
1odBアッテネーターを介した値は、1200MHzでは1.002V、5GHzでは1.8mVとなりました。
20dBアッテネーターでは、1200MHzで0.322V、5GHzで0.5mVとなりました。
電力P=電圧EX電流I、電流I=電圧E÷抵抗Rですので、P=(E^2)/R(電力は電圧の2乗割る抵抗値)となります。
そして上記計測に使用した自作検波器の抵抗値は50Ωと共通ですので、たとえば電力P1とP2の比は電圧E1とE2の2乗の比になります。P1:P2=(E1^2)/R:(E2^2)/R=E1^2:E2^2
1200MHzでのアッテネーター10dBとなしの電圧は1.002Vと3.756Vですので、電圧比は1.002/3.756=0.266773、電力比は0.266773^2=0.071168となり、dB換算すると、10log(0.071168)=-11.477dBとなることから、アッテネーター10dBの減衰量にほぼ一致します。
また、アッテネーター20dBとなしの電圧は0.322Vと3.756Vですので、電圧比は0.322/3.756=0.08573、電力比は0.08573^2=0.0073495となり、dB換算すると、10log(0.0073495)=-21.337dBとなることから、アッテネーター20dBの減衰量にほぼ一致します。
アッテネーター10dBと20dBの測定値の差は、21.337dB-11.477dB=9.86dBとなり、アッテネーターの差にほぼ一致しますので、それぞれの測定値(計算値)がアッテネーターの表示値と1dBほどの差があるのは、接続コネクタの損失かもしれません。
一方5GHzでは、アッテネーター10dBとなしの電圧は1.8mVと18.9mVですので、電圧比は1.8/18.9=0.095238、電力比は0.095238^2=0.009070294となり、dB換算すると、10log(0.009070294)=-20.42dBとなってしまいました。
アッテネーター20dBとなしの電圧は0.5mVと18.9mVですので、電圧比は0.5/18.9=0.026455、電力比は0.026455^2=0.000699868となり、dB換算すると、10log(0.000699868)=-30.55dBとなります。
しかしながら、アッテネーター10dBと20dBの測定値の差は、30.55dB-20.42dB=10.13dBとなりますので、アッテネーターの差にほぼ一致します。
アッテネーターが1500MHzまでのものであるので、接続部等での損失が10dBほどあるのかもしれません。
このことについては、5GHzで使用できるアッテネーターを入手して、後日検討してみようと思いますが、作成した検波器が5GHzでもそれなりに利用できそうに思っています。
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