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2023年3月 9日 (木)

おもちゃの修理記録(4)ペンギン

【不具合症状】
右足が折れて前進しない

【依頼症状の確認】
当初電源スイッチを入れても動作しなかったが、電池の入れ方に誤りがあった。ペンギンの顔を自分に向けて裏側にし、右側に電池の+、左側に電池の-が見えるように入れ直したところ、動作した。
しかし右足が折れていることから、左足だけが動くことによりその場で左右に揺れるだけで前進しなかった。
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(上の写真をクリックすると動画画面が開きます。)


【原因究明と修理方法】
1 外から触ると右足の足首当たりが折れているようなので、着ぐるみを外すことにした。着ぐるみはホットボンドのようなもので留めてある様子であったので、おもちゃの病院メンバーのアドバイスに従い、底の部分の着ぐるみが折れ込んである部分をドライヤーで熱してプラスドライバーを隙間に入れて、着ぐるみを少しずつ剥がした。頭が動く構造であることから、なるべく剥がす部分を少なくするよう心掛けた。ホットボンドで留めてあったのは、電池ボックス周辺だけであった。

2 着ぐるみの足と胴体の部分を外してみると、右足の足首部分、関節の少し上が折れていた。また、左脚を胴体内部に止めている留め具(プラスチックのキャップ)が外れていた。なお、着ぐるみの腕の部分は手羽を片方ずつゆっくりと上に曲げて外した。
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3 胴体カバーを外さないと、上記2で外れていることが判明した左脚の留め具を取り付けられないことから、プラスチックの胴体カバーを外すことにした。胴体カバーは左側と右側とでねじの数が異なり、左右とも内部の動作機構が納めてある箱にそれぞれ2か所(写真赤丸部分)ねじ止めされているほか、左右の胴体カバーが4か所(写真青丸部分)でねじで連結されていた。首の部分が頭のカバーに掛かっているので、ここは首を少し持ち上げて外す必要があった。赤いシールは目印のため仮付けしたものである。
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(胴体カバー左側)

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(胴体カバー右側)

4 脚は胴体カバー内部の動作機構に留め具で留めてあるだけであった。
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5 脚を取り外し、足首の関節部分を外すと、次の写真のような状態であった。
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6 折れた部分の補修方法として、 (1)細い針金で折れた部分を縫い合わせる、(2)接着剤で貼り合わせる、の2つを考えた。骨折部分が関節であり動くための隙間が必要であることから接着剤での貼り合わせを採用したが、本体の重量がかかる部分でもあるので、薄いアルミテープを上から貼り付けて補強することにした。接着には、ねじ切りも可能なまで硬化するというエポキシ系の「J-Bウェルド」という接着剤を使用した。
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7 接着剤が完全に硬化するまで丸1日おいてから、組付け作業に進んだ。
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8 上記7では胴体カバーを付ける前に足を付けているが、それでは胴体カバーがつけられない(脚が胴体カバーの穴を通る)ため、足を一旦外してから胴体カバーを取り付けた。
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9 胴体カバー取り付け(ねじ止め)の後に、足を取り付けた。
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10 着ぐるみを丁寧に着せていった。手羽は片方ずつ上に曲げて、服に袖を通すような感覚で着せる必要がある。
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11 着ぐるみをすべてかぶせたら、すその部分を底の胴体カバー隙間にプラスドライバーなどで丁寧に押し込み、めくれないようにした。
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12 以上で修理が完了した。電池を入れて動作させたところ、前進するようになった。ただし、少し左に曲がっていくようであった。
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(上の写真をクリックすると動画画面が開きます。)


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