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2023年5月27日 (土)

おもちゃの修理記録(18)The Big Piano

【不具合症状】
音が出ない。
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【依頼症状の確認】
他のドクターが担当していたが、鍵盤スイッチの補修をした上でスピーカーを手持ちの小型のものをつないで試したが、不具合が解消されないため、別の目で確認してみようということで引き継いだ。
なお、前の担当ドクターがネットで調べたところ、起動時に起動音がするはずであるが、その音も出なかったとのことであった。

【原因究明と修理方法】
1 作業準備のため、鍵盤上部のコントロールボックスの裏にあるねじ6本を外して、基板が見えるようにした。
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2 鍵盤スイッチへの配線が9本×4=36本あり、このままでは基板の状態が確認できないため、36本の配線を一旦取り外すことにした。前の担当ドクターが4つの組ごとに配線をまとめてくれていたので、その組ごとに各色がどこに接続しているのかメモした上で、配線のはんだ付けを外していった。
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3 作業前にスピーカー端子にヘッドフォンを接続し、電池を接続してスイッチオンの時の電流を測ったところ0.82mAであり、しばらくオンのままにしておいても変化はなかった。ヘッドフォンからは音は出なかった。なお、電池ボックスの-は基板のGNDに、電池4本のうち3本目の+側(4本のボックスの途中の3本目)が基板の「+4.5V」表示端子に、最後の4本目の+側がスピーカーの一方に接続され、スピーカーのもう一方は基板の「SP-」に接続されていたので、その通りに電池とヘッドフォンを接続した。
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4 基板を拡大鏡で確認したところ、モールドされたICの横にあるチップ抵抗のうちの1つがずれていて、基板のパターンにきちんとはんだ付けされていないことに気が付いた。
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5 このチップ抵抗はんだ付けし直して、あるべき位置に直した。
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6 チップ抵抗を直してから、上記3と同じ接続をして電源スイッチを入れたところ、ヘッドフォンから起動音が聞こえた。なお、電流はスイッチオン直後に10mA程度流れ、起動音が止まると3と同程度のほとんどゼロとなった。

7 電池ボックス内を確認したところ液漏れの汚れが残っていたので、電池端子を取り外してケース内をウェットティシュできれいにすると共に、金属端子を細かいやすり(水ペーパー)などで磨いた。
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↑ 外してある端子は磨いたもの。その他は取り外し前。

↓ 以下は磨いたり掃除した後の状態。
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8 スピーカーのコーン紙は無くなってしまっており、端子間の導通もなかったことから、手持ちのスピーカーと交換した。元のスピーカーは32Ωであったが、手持ちは8Ωしかなかったのでこれを取り付け、鍵盤スイッチの配線以外の配線をしてケースに基板を納めて電池を入れ、スイッチをオンにしたところ、起動音が出た。
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9 上記2で取り外した鍵盤スイッチへの配線を順にはんだ付けした。
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10 鍵盤スイッチへの配線を完了し、ケースを取り付けて電池を入れて、鍵盤スイッチが正しく動作することを確認できたが、スピーカーが本来の32Ωではなく8Ωと1/4となっていることと、上記3に記載したように最後の電池の1.5Vが直接スピーカーに掛かっている状態であることから、スピーカーに掛かる電力はW=1.5V*1.5V/8Ω=0.28W程度となることが予想され、8Ωスピーカーの対応電力0.25Wでは過大となっているように思われた。そこで、電池+側とスピーカーの間に10Ωの抵抗を追加することとした。これにより電力はW=1.5V*1.5V/(10+8)Ω=0.125Wとなり、スピーカーの保護になると考えられた。また、追加した抵抗は1/4W=0.25Wなので、この電力に耐えられると思われる。抵抗はスピーカーの端子に直付けし、絶縁のため熱収縮チューブを被せた。
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11 上記10の抵抗を追加しても音の大きさは実用的であると判断できたので、以上で修理を完了した。
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おもちゃの修理記録(17)消防車

【不具合症状】
放水ノズルを頻繁に梯子に留めたり外したりしたところ、留める部分が折れてしまった。

【依頼症状の確認】
留め金のプラスチックが折れていた。
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【修理方法】
1 プラリペアで接着と補強し、固まってからやすりで削って形を整えた。
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2 梯子に取り付け取り外しできることを確認し、修理を完了した。
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おもちゃの修理記録(16)ファーリアル

【不具合症状】
購入後1か月で電池の液漏れがあり、電池ボックス内をきれいにしたが、動かなくなってしまった。
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【依頼症状の確認】
人形の腹部分のスイッチを入れて背中のボタンを押しても、動作しなかった。
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【原因究明と修理方法】
1 電池ボックスを開けて蓋に取り付けてある電池の端子を確認したところ、ある程度きれいになっていたが、まだ少し汚れが残っており、特に+側がくすんでいた。
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2 目の細かい紙やすり(水ペーパー)で電池の端子をすべて光沢が出るまで磨いた。
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3 本体内部の電池の接点を確認したところ、きれいな状態であったので、こちらは特に何もしなかった。
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4 電池を入れて動作確認したところ正常に動作したので、修理を完了した。
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おもちゃの修理記録(15)ころころあひる

【不具合症状】
右前輪が外れた。
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【依頼症状の確認】
右前輪の付け根が折れていた。
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【修理方法】
プラリペアで接着と補強して、修理を完了した。
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2023年5月23日 (火)

おもちゃの修理記録(14)RC CAR

【不具合症状】
送信機の操作に反応して音は出るが、走らない。
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【依頼症状の確認】
車体下部の電源スイッチを入れてから人形を座席に取り付けると、エンジン音が出たり音楽が流れたりする。送信機の前進・後退のボタンを押すと、自動車が走る時の音が出るが、車輪は回らない。

【原因究明と修理方法】
1 車体下部の4本のねじを外し、ボディを車体から外して中を確認したが、上部からの目視では基板などに異常は見られなかった。
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2 モータ駆動の後輪の軸に髪の毛が絡まっていたので、車軸を取り外して絡まっている髪の毛を取り除いたが、車輪が回らない状況に変化はなかった。
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3 本体に電池を入れてスイッチをオンにしてモータへの配線にテスターを当て、送信機の前進ボタンを押して電圧の変化を確認したところ、ボタンを押していないときは0V、押したときは0.027Vの電圧が確認できた。また、モータの配線を外してモータに単3電池1本を直結したところ、正常に回転した。さらに、モータへの配線を外した状態で基板のモータ出力端子の電圧変化を確認したところ、ボタンを押した時の電圧が2.7V程度に上昇した。しかし、再びモータの配線を戻すと、電圧は0.027Vへ下がってしまった。
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4 モータのコントローラICのデータシートを探し出して、ICから電源電池への基板上の配線を探したところ、次の写真の矢印の2本のパターンであった。
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5 基板をボディから取り外して裏返したところ、ひびが入っていた。光に透かして見たところ、上記4のICから電源電池へのパターンが、ひびの部分で切断されているように見えた。
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6 ひびに掛かっている片方のスイッチのクッション部分を取り外した上、ひびの部分のパターン上の緑色の被覆(塗料)を目の細かい紙やすりで剥がしたところ、パターンにもひびが入っていた。テスターで測ったところ、ひびの両側で導通がない部分がいくつかあった。
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7 被覆を剥がしたひび割れ部分に、銅線などをはんだ付けするなどして接続した。
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8 取り外したスイッチのクッション部分を戻して基板を元通り取り付け、車輪も取り付けて回転することを確認した。
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9 以上で修理が完了した。
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【参考】 送信機からの電波をスペクトルアナライザ(GigaSt v5)で確認したところ、次のように2.4GHzの電波が確認された。
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2023年5月11日 (木)

おもちゃの修理記録(13)バッティングトスマシーン

【不具合症状】
上部のさらを押し込んで離すと最初は皿がゆっくりと上がっていくが、しばらくしてからバチンと勢いよく上がり、皿に載せたボールを打ち上げるはずが、時々引っかかって動作しなくなる。また、台座がはめ込みできない。
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【依頼症状の確認】
何度か試しても不具合症状は再現しなかったが、念のために内部を確認することとした。
【原因究明と修理方法】
1 本体の周囲にあるカバーは接着されておらず、ぴっちりと巻き付けて末端を熱着してあるため、合わせ目部分に沿って丁寧にカッターで切断した。
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2 ケースは4か所でねじ止めされていた。
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3 ねじを外して中を開けると押し込まれる軸にバネが入っていた。その軸にラック(歯車にかみ合う溝)が刻まれ、中にある白いギアボックスにかみ合っていた。ギアボックスは軸が押し込まれた時には抵抗なく回転するが、戻るときにはゆっくりと戻るようになっていた。ギアボックスには問題がなかったことから、分解せず歯車へグリスを塗るだけとした。
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4 動作の際に擦れ合う部分を水やすり(目の非常に細かい紙やすり)で滑らかにし、その部分とギアボックスにシリコングリスを塗布した。
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5 軸、バネ、ギアボックスなどを元の通りに組み直した後、4本のねじでケースを留めた。皿がスムースに押し込むことができ、途中までゆっくり戻って最後にバネの勢いで跳ねることを確認した。
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6 カバーを巻き、メンディングテープで留めた。台座は少し固めであったが、はめ込んで修理を完了した。
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2023年5月 9日 (火)

おもちゃの修理記録(12)おさんぽコロコロユニコーン

【不具合症状】
右前の車軸が折れた。
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【依頼症状の確認】
右前の車軸がテープで留めてあり、車輪を外すとの段差部分が半分近く割れていた。
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【修理方法】
1 車軸がパイプ状になっているため、中に棒を差し込んで修理することを考えた。しかし、段差がある部分が折れていることから、差し込んだ棒が太い部分でがたついてしまい固定できないと思われたため、折れた部分を接着剤で仮止めした後に、熱収縮チューブで外側を覆って補強する方法をとることにした。熱収縮チューブを適度な長さに切って用意した。
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2 ユニコーン本体はPVC(ポリ塩化ビニル)であったが、車軸部分はPE(ポリエチレン)なので、PEが接着可能なプラスチック用接着剤(コニシ株式会社の「ボンド ウルトラ多用途SU プレミアムソフト(シリル化ウレタン樹脂系接着剤)」)を、ようじを使用して割れ口に塗り、セロテープで仮固定して1日乾かした。
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3 翌日、接着状態を確認したところ、とてもしっかり接着されていた。車軸に車輪を嵌めてみたところ、十分使用に耐えられると判断できたので、熱収縮チューブによる補強はせず、修理完了とした。
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