おもちゃの修理記録(14)RC CAR
【依頼症状の確認】
車体下部の電源スイッチを入れてから人形を座席に取り付けると、エンジン音が出たり音楽が流れたりする。送信機の前進・後退のボタンを押すと、自動車が走る時の音が出るが、車輪は回らない。
【原因究明と修理方法】
1 車体下部の4本のねじを外し、ボディを車体から外して中を確認したが、上部からの目視では基板などに異常は見られなかった。
2 モータ駆動の後輪の軸に髪の毛が絡まっていたので、車軸を取り外して絡まっている髪の毛を取り除いたが、車輪が回らない状況に変化はなかった。
3 本体に電池を入れてスイッチをオンにしてモータへの配線にテスターを当て、送信機の前進ボタンを押して電圧の変化を確認したところ、ボタンを押していないときは0V、押したときは0.027Vの電圧が確認できた。また、モータの配線を外してモータに単3電池1本を直結したところ、正常に回転した。さらに、モータへの配線を外した状態で基板のモータ出力端子の電圧変化を確認したところ、ボタンを押した時の電圧が2.7V程度に上昇した。しかし、再びモータの配線を戻すと、電圧は0.027Vへ下がってしまった。
4 モータのコントローラICのデータシートを探し出して、ICから電源電池への基板上の配線を探したところ、次の写真の矢印の2本のパターンであった。
5 基板をボディから取り外して裏返したところ、ひびが入っていた。光に透かして見たところ、上記4のICから電源電池へのパターンが、ひびの部分で切断されているように見えた。
6 ひびに掛かっている片方のスイッチのクッション部分を取り外した上、ひびの部分のパターン上の緑色の被覆(塗料)を目の細かい紙やすりで剥がしたところ、パターンにもひびが入っていた。テスターで測ったところ、ひびの両側で導通がない部分がいくつかあった。
7 被覆を剥がしたひび割れ部分に、銅線などをはんだ付けするなどして接続した。
8 取り外したスイッチのクッション部分を戻して基板を元通り取り付け、車輪も取り付けて回転することを確認した。
【参考】 送信機からの電波をスペクトルアナライザ(GigaSt v5)で確認したところ、次のように2.4GHzの電波が確認された。
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