2024年2月12日 (月)
おもちゃの修理記録(42)アンパンマン・ピアノ
【不具合症状】
鍵盤上部にある機能ボタンを押しても動作しない。鍵盤の一部は音が出ない。
【依頼症状の確認】
鍵盤上部の機能ボタンはどれも反応しなかった。下の「ミ」の鍵盤は押しても音が出なかった。
【修理方法】
1 ケースを開けるため、裏側に両面テープで貼り付けてある説明書部分を剥がす必要があった。
2 カッターナイフで裏の説明書を丁寧に剥がすと、たくさんのねじで留められていた。
3 最初に中ほどの小さい蓋を開けたところ、基板が見えた。はんだ不良や基板の破損は見当たらなかった。内部からのリボン状の配線が基板に押し付けられるようにして接続されていた。
4 残りのねじを外し、内部を確認した。
5 スイッチカバーや鍵盤を外した。
6 スイッチの導通をテスターで確認したところ、押す前は絶縁状態か高抵抗であったのが、鍵盤やスイッチを押すと1kΩ位に下がることをすべての鍵盤とスイッチで確認した。
7 配線を基板に押さえつけている部分の接触不良が考えられたので、まず基板だけで音が出るかを確認した。スイッチの配線状況から、基板の接点のどれを短絡させると動作するのかを把握し、基板だけで動作することは確認できた。そこで、基板部分の蓋に付いている押えのクッションを厚くしてみたりしたが、状況は変わらなかった。
8 リボン状の配線の基板との接点部分に導電塗料(ポリカーム)を塗って接触を保つようにしたが、状況は変わらなかった。
9 上記6でスイッチの接触状況を測定した際に、音が出ない鍵盤(下の「ミ」)のスイッチ(円形左から5番目)は押されていない時の抵抗値が数MΩであるが、他の鍵盤は押されていないと絶縁状態(測定範囲外)であることに気が付いた。
10 スイッチ内のゴミ等で押されていない時の絶縁が完全ではないことが原因と想定されたため、スイッチを覆っているプラスチックカバーの隙間から、細いピンセットの先等で内部を丁寧に掃除してみた。その結果、オフ時の絶縁が回復し、下の「ミ」の音が出るようになると同時に、上部の機能ボタンも動作するようになった。
11 スイッチ検出のために同じICの入出力端子をいくつかのスイッチに兼用しているため、一部の絶縁・接触不良がほかのスイッチの機能に影響を与えていたと考えられる。
2024年2月11日 (日)
おもちゃの修理記録(40)ドンケツ
【不具合症状】
レバーがスムーズに動かない。バネの戻りも悪い。
【依頼症状の確認】
レバーを動かすと、どこかにこすれているようであり、戻りも良くなかった。
【修理方法】
1 裏蓋を外して中を確認したところ、かなり汚れていた。また、レバーの先端がケースとこすれている跡が付いていた。
2 バネを外してレバーを浮かせて動かすと、先端に付いている磁石が外れて残った。
3 レバーと磁石を取り外したところ、接着剤が効かなくなっていた。また、レバーの一部が経年劣化で割れていた。
4 強力なエポキシ系接着剤で接着して、一晩置いた。
5 ケース内を掃除すると同時に、バネもさびていたので、磨いてきれいにした。
6 接着剤がしっかり固まってから組み直してグリースも塗り、スムーズに動くことを確認した。
7 実際に動かして、ドンケツできることを確認した。
おもちゃの修理記録(39)トイカメラ【修理不能】
【不具合症状】
電源を入れてメニューは表示されるが、静止画と動画のいずれも撮影できない。
【依頼症状の確認】
電源を入れてメニュー操作しても、メニューが撮影に進まない。
【作業内容】
1 リチウムイオン電池が内蔵されていたため、分解に当たっては電池のリード線のはんだ付けを1本ずつ外してテープで絶縁する等の対応をした。カバーを開いて基板を目視したが、不具合につながるような状態は見当たらなかった。画像素子との接続コネクタを外して掃除したり、一部はんだ付けし直したりしたが状況は変わらなかった。
2 リチウムイオン電池は基板にしっかりと固定されており、取り外すと基板を痛める可能性が高かったので、これ以上の対応は不可能と判断し、修理不能とした。ケースに組み戻す時に、USBコネクタの部分が黒く焦げているようであり、充電時に過電流が流れる等の不具合があって故障した可能性が高いと思われた。
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