おもちゃの修理記録(42)アンパンマン・ピアノ
【不具合症状】
鍵盤上部にある機能ボタンを押しても動作しない。鍵盤の一部は音が出ない。
【依頼症状の確認】
鍵盤上部の機能ボタンはどれも反応しなかった。下の「ミ」の鍵盤は押しても音が出なかった。
【修理方法】
1 ケースを開けるため、裏側に両面テープで貼り付けてある説明書部分を剥がす必要があった。
2 カッターナイフで裏の説明書を丁寧に剥がすと、たくさんのねじで留められていた。
3 最初に中ほどの小さい蓋を開けたところ、基板が見えた。はんだ不良や基板の破損は見当たらなかった。内部からのリボン状の配線が基板に押し付けられるようにして接続されていた。
4 残りのねじを外し、内部を確認した。
5 スイッチカバーや鍵盤を外した。
6 スイッチの導通をテスターで確認したところ、押す前は絶縁状態か高抵抗であったのが、鍵盤やスイッチを押すと1kΩ位に下がることをすべての鍵盤とスイッチで確認した。
7 配線を基板に押さえつけている部分の接触不良が考えられたので、まず基板だけで音が出るかを確認した。スイッチの配線状況から、基板の接点のどれを短絡させると動作するのかを把握し、基板だけで動作することは確認できた。そこで、基板部分の蓋に付いている押えのクッションを厚くしてみたりしたが、状況は変わらなかった。
8 リボン状の配線の基板との接点部分に導電塗料(ポリカーム)を塗って接触を保つようにしたが、状況は変わらなかった。
9 上記6でスイッチの接触状況を測定した際に、音が出ない鍵盤(下の「ミ」)のスイッチ(円形左から5番目)は押されていない時の抵抗値が数MΩであるが、他の鍵盤は押されていないと絶縁状態(測定範囲外)であることに気が付いた。
10 スイッチ内のゴミ等で押されていない時の絶縁が完全ではないことが原因と想定されたため、スイッチを覆っているプラスチックカバーの隙間から、細いピンセットの先等で内部を丁寧に掃除してみた。その結果、オフ時の絶縁が回復し、下の「ミ」の音が出るようになると同時に、上部の機能ボタンも動作するようになった。
11 スイッチ検出のために同じICの入出力端子をいくつかのスイッチに兼用しているため、一部の絶縁・接触不良がほかのスイッチの機能に影響を与えていたと考えられる。
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