おもちゃの修理記録（５９）くまのプーさん・いっしょにかぞえて

【不具合症状】
ボールが出ない。

【依頼症状の確認】
正面右側のボタンを押しても、内部のレバーが十分下がらずボールが押し出されなかった。手で内部のレバーを押し下げれば、ボールは出た。


【修理方法】
１　当初分解のため背面のねじを外したが、上部の輪がはまっていて分解できなかった。そのため、まず上部の輪の留め具4か所をドライバーでこじって外した。


２　裏面を外した後、底の部分を外そうとしたが、ねじが錆びて回らなかったため、ドリルでねじ上部を削って取り外した。


３　内部のボール押出し部分を分解したところ、中にあるスイッチがバラバラになっていた。


４　リン青銅版の細い板を補強材とし、残っていたスイッチ部をはんだ付けで補修した。


５　切れていた配線（赤矢印）も交換して、新しく配線し直した（青矢印）。



６　ボール押出し機構のレバーがかかっている歯車が割れて軸が少し空回りしていたので、針金で絞めて空回りしないようにした。



７　ボール押出し機構のレバーに上記６の歯車に掛かるための穴が2か所開いていたので、それぞれに架け替えて動作を確認した。上の穴を使用した場合は、ボール押出しのバーが上がりきらないためボールが所定の位置に入ってこないが、ボールを所定の位置に入れてレバーを押した時はボールがきちんと出る状態であった。



８　下の穴を使用した場合は、ボール押出しのバーが高く上がってボールが所定の位置に入るが、レバーを押してもボールが十分に押されずボールが出てこない状態であった。



９　上の穴を削って動作範囲を調整してみたがうまく動作しなかったため再考したところ、レバーの軸受けがすり減っているために上記８でレバーを押した時に上がりきれないのではないかと思い当たった。



10　軸受けにプラリペアを盛って軸をはめ込み、固まってから軸を取り外すという方法で軸受けを補修した。



11　上記10の補修後、下の穴にレバーを掛けて動作を確認したところ、ボールが出るようになった。



12　電池を入れて、ボールの出る数がきちんと数えられることを確認し、修理を完了した。