おもちゃの修理記録(87)ウルトラセブンと怪獣
【不具合症状】
ウルトラセブンと怪獣のどちらも動かない。
【依頼症状の確認】
電池を交換したことがないとのことであった。ウルトラセブンは背中の電池ボックスを開けると電池が液漏れしていた。怪獣は電池ボックスの位置がわからなかった。
【修理方法】
1 ウルトラセブンは背中の電池ボックス内のさび等の汚れを除去した。
2 単5電池3本使用であったので、電池を入れて背面のボタンを押したところ、音が出た。また、胸のカラータイマーが目視では光っておらず、スマートフォンのカメラでも光っているのが確認できなかったが、デジタルカメラで発光が確認できた。
3 動作不安定な状態であったので背面のねじを外して内部を確認したところ、電池ボックスからの配線が切れかかっていたようであり、基板を外した時に切れてしまった。線材が経年劣化していたので、配線を交換した。
4 基板を元に戻して動作確認した。
5 怪獣は胴体が経年劣化で硬化していたので、胴体半ばの割れ目にマイナスドライバーを入れてこじ開けた。電池を入れる部分が現われて、中から古い単5電池3本が出てきた。幸い液漏れはない様子であったが、代わりの電池を入れても動作しなかった。
6 電池と基板の入っている部分を開けて基板を取り出して確認したところ、金属の筒のみで中が空のものがあった。
7 ウルトラセブンにも似た部品があり、そちらの中にはバネ状の部品が入っていた。振動で中のバネが周りの金属筒に接触すると音が出るスイッチとなっていた。
8 電池やスピーカーを接続して、筒の外周と中の配線をショートさせると音が出ることが確認できた。
9 ウルトラセブンの部品を参考にして、楊枝に細い線を巻き付けてバネ状のものを作った。
10 金属の筒を外して作成したバネを取り付けた。そのままでは振動でバネがあまり動かず筒と接触しにくいと考え、バネの上部にはんだ付けして重りとした。
11 バネの位置を調整しながら、筒を取り付けた。
12 電池ケース上部の蓋に付いていた電極が腐食していたので、リン青銅版で作って交換した。
13 スピーカーの配線も経年劣化していたので、交換することとした。スピーカーは怪獣の背中に外側から取り付けられていたので、カバーの隙間にマイナスドライバーを入れてこじ開けて外した。
14 スピーカーの配線を交換した。
15 基板をケースに戻して胴体に取り付けた。胴体上半分がケースにはまる部分がビニールの硬化により外しにくかったので、穴をやすりで削って広げ、電池交換がしやすくなるようにした。胴体を外す時は、頭を背中の方へ引っ張ると楽に開けられるようになった。
16 怪獣の修理を完了した。
17 ウルトラセブンと怪獣を向き合わせてウルトラセブンの背中のボタンを押すとスペシウム光線の音が出る。ボタンを離してしばらくすると怪獣が鳴き声を上げる。ウルトラセブンを少し持ち上げて「トン」と足を机に軽く落とすと「ジュワッチ」と声が出、怪獣を少し持ち上げて「トン」と足を踏み鳴らさせると、先とは異なる鳴き声が出る。
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