おもちゃの修理記録(122)ワンワンおおあばれ
【不具合症状】
新しい電池を入れてカバーをかけても動かない。
【依頼症状の確認】
電池は3本とも1.5V以上ある新しいものであった。ギアケースを開けたが、内部はきれいな状態であった。
【修理方法】
1 外部に電池を接続してスイッチオン時の電流を測定したところ、受光素子(CDS)に光が当たらない状態では一瞬1mA流れた後に0.5mAの電流が継続したが、光が当たる状態では1mA流れた後12秒ほどで0mAとなった。ICは動作していると思われた。
2 原因を探るために基板を取り外して回路図を書き出した。CDSとR2の200kΩとの分圧によりカバーで暗くなっていることを検出し、その状態で振動スイッチ(黒い円筒)が振動を検出して動作していることが想定された。
3 基板の配線を取り外してテスト用の配線を取り付けた。また、CDSと振動スイッチを取り除いた。振動スイッチ単体に振動を与えると一瞬抵抗値が下がり、導通することが確認できた。
4 CDSを取り除いた状態(ICの端子は200kΩの抵抗でGNDに接続されている状態となる)で基板に電池を接続し、振動スイッチの部分をピンセットで短絡すると、モーターへの出力端子に電圧が生ずることが分かった。このことから、カバーをかけて暗い状態となったときにICへの接続部分がGND側のゼロボルトに近くなれば、動作することが予想された。
5 CDSに光が当たっている時の抵抗値(明抵抗)は2.7kΩ、光を遮った時の抵抗値(暗抵抗)は100kΩであった。このCDSとR2の現状の値でのICの端子にかかる電圧は、明るい時には4.4V(=4.5V×200kΩ÷(2.7kΩ+200kΩ))、暗い時には3V(=4.5V×200kΩ÷(100kΩ+200kΩ))となり、暗い時にICの端子にかかる電圧が電源電圧の半分以上となるため、暗くなったと判断できないと思われた。
6 電源電圧をCDSと分圧しているR2の200kΩを値の異なるものに交換すれば暗い時の電圧を下げられると考えた。手元にある10kΩのチップ抵抗に交換した場合、明るい時には3.5V(=4.5V×10kΩ÷(2.7kΩ+10kΩ))、暗い時には0.21V(=4.5V×10kΩ÷(200kΩ+10kΩ))となり、電源4.5Vの中央値2.25Vの上下の値となる。4.5Vで10kΩの抵抗に流れる電流は0.45mAとわずかであるので、これで試してみることとした。
7 元々付いていたR2を外し、10kΩに交換した。外した200kΩの抵抗は、写真のピンセットの先(赤丸)のようにとても小さく、取り扱いに細心の注意が必要である。
8 抵抗を交換後CDSと振動スイッチを元に戻し、電池を接続してモーター出力端子の電圧変化を確認した。電源スイッチをオンにしてCDSに光が当たらないようにしてから、基板を指先ではじくと、モーター出力端子へ4.5Vが7秒ほど出力された。
9 基板からの配線を元通りにしケースに納めて動作確認したが、うまく動作しなかった。基板を外すと動作するため、配線が一部断線しかかっていると考えられた。
10 配線をすべて交換してケースに納め直し、動作することを確認した。
11 ボールの中に取り付けてスイッチをオンにした後にカバーをかけて振動を与えたところ、動きだしてしばらくして止まった。再び振動を加えると同様な動作となったので、修理を完了した。
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